パーキンソン病および認知機能関連分子とパーソナルゲノム解析

研究代表者:戸田 達史 神戸大学大学院医学研究科
研究分担者:小林 千浩 神戸大学大学院医学研究科
研究協力者:佐竹 渉 神戸大学大学院医学研究科

パーキンソン病(PD)は、中高年に発症し、ドパミンニューロンの変性により振戦、筋固縮など運動障害を主症状とするアルツハイマー病とともに多い神経疾患であり、高齢化とともに患者は増加する。治療薬は全てが欧米の開発で、根本的な治療ではない。大部分を占める弧発性PDでは疾患感受性遺伝子は明らかでない。一方「認知機能と遺伝子・分子」は21世紀の神経科学の中心的テーマの1つであり、全般の知的能力に関わる「一般的」な認知能力因子の存在が考えられ、一般知能因子gと呼ばれており、本質的に多因子遺伝的である。また発達期においてIQが70未満である精神遅滞は、一般人口の3%程度の頻度とされ、極めて頻度の高い疾患群である。本研究では、代表的な神経難病のパーキンソン病および一般知能因子や精神遅滞などの認知機能関連分子に焦点をおき、A01班で開発された技術やA03班のインフォマティクスをもとに、1)SNPsを用いたゲノムワイド関連解析をより大規模に進展させるとともにコピー数多型CNVによる全ゲノム関連解析、パーソナルゲノム配列解析によるrare variantsの検索、近親婚症例、家系発症例の大規模ゲノム配列解析を行い、パーキンソン病疾患感受性遺伝子や単一遺伝子疾患の病因遺伝子を数多く同定する。2)同定された新たな分子や既存の分子の機能解析、蛋白構造解析などに基づく創薬をめざした化合物探索、反応性、副作用とSNPによるテーラーメイド治療法確立。3)アレイCGHによる精神遅滞・自閉症の新規原因遺伝子の同定と機能解析。IQ差が著しい一卵性双生児や、認知能力差を示す近交系マウスの遺伝子発現プロファイリング解析、メチル化解析、CNV解析による一般知能因子(g因子)関連遺伝子同定と機能解析などを行い、パーキンソン病、精神遅滞・自閉症の病態解明、治療法の開発、知能発現の分子メカニズムの解明を目的とする。

パーキンソン病