日本人統合失調症家系のゲノム解析に基づく疾患発症に関わるゲノム多様性と病態の解明

研究代表者:有波 忠雄 筑波大学大学院人間総合科学研究科

 

統合失調症は思春期、青年期に好発年齢がある代表的な精神疾患のひとつで、発症リスクには遺伝要因と環境要因の両方が関与している。近年のゲノム解析の進歩により、統合失調症のリスクを高めるゲノム変異の一部は新しく起こった突然変異によるものであることが分かってきた。とくにそれまで家族に統合失調症を罹患した人がいない患者で統計的に有意に多く一部の突然変異が見られる。一方、複数の人が統合失調症に罹患している家族では、親から子に伝えられるゲノム多様性が統合失調症のリスクに関わっているはずであるが、狭義の遺伝性疾患と異なり、関係する変異の種類は多く、一つ一つの変異の影響力は小さいため、解析は困難である。日本では兄弟(姉妹)が統合失調症に罹患されたご家族のご協力により兄弟(姉妹)が罹患する原因の一部となっている染色体領域があることが分かっている。そこで、それらの領域にとくに集中して解析することにより、日本人で兄弟が罹患することにいたったリスク遺伝子(変異)を同定し、統合失調症の病態の解明に役立つゲノム情報の構築を目指す。